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Tout dort au soleil

"Le Petit Prince" [まえがき]

赤字5月15日追加・訂正
昨日の記事「星の王子さま」の翻訳にチャレンジしてみました。

「まえがき」+「27章」+「あとがき」の計29回出題されますが、「まえがき」以外は1週間の期限のようです。私の語学力では1章分を1週間で訳すのは相当無理があると思いますので、後が続くか疑問ですがとりあえず「まえがき」を訳してみました。
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                                               レオン・ウェルトへ

 子供たちにはどうか許してもらいたいのだが、私はこの本をある大人の人に捧げる。これには理由がある。その人が世界で一番大切な友達だからである。他にも理由がある。その人は、子供向けの本であっても、ちゃんと理解することができるから。3つ目の理由は、その人がフランスに住んでいるからだ。フランスは飢えと寒さに苦しんでいて、助けを必要としている。その人はフランスに住んでいて、飢えと寒さに苦しんでおり、助けを必要としているからだ。

 もしこれらの理由で足りないのなら、この本をかつて子供だった頃のその人に捧げることにしよう。大人たちは皆、はじめは子供だったのだ。(しかし、そのことを忘れずにいる人は少ない。)
そういうわけで、献辞を訂正する。

                                          小さな男の子だったころの
                                               レオン・ウェルトへ
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[翻訳メモ]

"Le Petit Prince":
既に「星の王子さま」(内藤 濯[あろう]氏訳)というタイトルでおなじみだが、直訳すると「小さな王子さま」。私は直訳でもいいと思うんだけど。

une grande personne:
この献辞はレオン・ウェルト(著者の年上の男性の友人)に捧げるとしているが、文中では女性形の代名詞で記述されている部分が多い。「大人たちは皆~子供だった」の部分も、原文では女性代名詞。とはいえ、「一番大切な友達」のくだりでは"ami(男性形)"が使われている。
レオン・ウェルトに捧げるとしていながらも、結婚生活であまりうまくいかなかった妻コンスエロに向けたものではないかという見解もあるようだ。(作中の「バラ」はコンスエロを表しているとする説が多いようである)

私の現在の見解としては、祖国フランスに捧げるという意味を入れたかったのではないかと思っている。という訳で↓以下の訳もちょっと原文からみるとおかしな訳になっている。

ce grande personne habite la France où elle a faim et froid.:
文法的には直訳は「彼女が飢えと寒さに苦しんでいるフランスにその女性は住んでいる」となり、彼女=その大人の女性となると思う。があえて彼女=フランスとして訳してみた。
とにかく、なぜ女性代名詞が使われているのかがはっきり分からないことには、どう訳してよいか私は分からない。

すみません、夜寝る前に単語の勉強をしていて分かりました。ただ単に「personneが女性名詞だから」という理由でした。深読みしすぎた・・・とは言っても名詞に女性・男性の区別がない日本人の感覚として、男の人を「彼女(女性名詞の3人称単数代名詞)」で置き換えるという発想は考えづらいところがあります。

"Le Petit Prince"は、世界中で大変多くの人に読まれている本で、web検索してもいろんなサイトがヒットします。特に多く目立つのは、ただの子供向けの本としてではなく、裏の意味があるとして解釈しているものが多いようです。私自身はそういう読み方をしたことがなかったのですが、これをちゃんと調べたら大変なことになりそうです。卒論のテーマの候補としても考えておきたいと思いました。
by azur_tdas | 2005-05-14 17:04 | フランス語